京友禅/眞鍋沙智
Morphoshere
一見しただけでは平面的・写実的と思える作品にも、染め上がる過程には様々な技法や 高度な独自のテクニックが散りばめられ、一枚の美しさが成立している着物。眼前に広げられた美しさが、同じ職人であるはずの 私にさえ知りえない方法によって製作されている。その事実は、常に作家としての私を衝き動かし てくれる”友禅染め”が持つ大きな魅力。 そんな友禅の美しさ、色彩と図案の芸術性に魅かれ、2007年より、友禅作家の吉田喜八郎に師事し手描友禅を学ぶ。現代の着物を取り巻く深刻な状況の中で、”友禅染め”が本来持っている「鑑賞物」とし ての側面を一から深く再考し、その地位の向上に取り組むことを志し、新たなシーンや市場を今後生み出していくために、作品 が「観る・着る・飾る」という役割を越境することをコンセプトに制作。
一点物の完全オーダーメイドから、その時々に美しいと感じるモチーフや季節を感じさせる作品作りを行う。
またより身近に色を纏うことを叶える、染めと刺繍のアクセサリー「tint」シリーズや友禅図案を活かして作られたタイルを発表。各地のセレクトショップなどで展開している。
<略歴>
2007年 吉田喜八郎氏に師事
2009年 日本工芸会近畿支部展に訪問着「楽園への誘い」入選
また京都の寺院においてアナログな手法の染色作品を発表する UNPLUGGEDに参加(以降4回参加)
2011年 男物洒落着「ケモノデ」が日本新工芸新人奨励賞受賞
2012年 「Love Odyssey],(ギャラリーH2O)
2014年 「楽園まであと少し」(ギャラリー武)
2015年 イマジンワンワールドプロジェクトにて英国振袖を担当
2016年 京都産業技術研究所主催の手描友禅プロ養成コース専科を修了
修了作品(路傍の花)市長賞と組合賞を受賞。
「異国情緒と色彩の煌き」(名古屋三越ジャパネスクギャラリー)
2017年 京もの認定工芸士(京友禅)取得
染めと刺繍のアクセサリーライン、「 tint」リリース
「未来の途中」(京都工芸繊維大学工芸資料館内)
2018年 友禅デザインタイル販売開始
第六回京ものユースコンぺティション 準グランプリ受賞
2019年 友禅を主軸にした包括的なものづくりブランドMorphospere設立。
立命館大学 京都学ゲスト講師
「眞鍋沙智 手描友禅作品展」(日本橋木屋 izutukiギャラリー)