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作品名
せっか
雪華
作者:中尾友美
「雪は天から送られた手紙である」とは、中谷宇吉郎博士の「雪」の言葉です。冬の日、しんしんと降る透明な真白い結晶。
誠に美しく、そしてとてもはかない贈り物です。その透明感と美しさをなんとか表現できないかと、数十色もの金銀ラメ糸をふんだんに使い、糸車で撚り合わせ、煌びやかに織り上げ、そして透明なアクリル板でより一層の美しさを表しました。一越一越、爪で掻き寄せて緻密に織り上げる西陣爪掻本綴織は、大変な根気と時間と、なにより熟練の技が必要な技法です。技術を習熟する「時」、創るのにかかる「時」、時が大切な織物です。時を大切にする想いと、雪の結晶という刹那を、時計として形にいたしました。
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