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京もの認定工芸士会「響」第二回工芸展参加メンバー紹介 中尾友美さん

更新日:2021年9月28日

来月9月23日(木)~26日(日)の4日間、京都伝統産業ミュージアム MOCADギャラリーにて展示会を開催します。会場では、一人一作品の展示となりますが、Facebook&Instagramでは、この展示会に参加するメンバーが過去の制作作品をご紹介していきます。

本日の投稿は、西陣織・爪掻本綴織(つめかきほんつづれおり)の職人、中尾友美さんの作品です。

一瞬、絵のように見えますが、爪先で丹念に織ったれっきとした織物。本作は、織物を時計に仕立てたものです。(西陣織の爪掻きつづれというのは、西陣織の中で最も絵画的要素の濃い、いわゆる美術工芸と呼ばれる織物です(筆ではなく、糸を織って絵を描いてます)。大学で絵画を学び、その後、西陣織の爪掻本綴織の職人として手織一筋にやってきた中尾さんの作品は、他分野のメンバー職人さんも目を見張るほど、とても手間がかかっているものばかりです。)

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☆作品&職人紹介☆

置き掛け時計「雪華」

「雪は天から送られた手紙」とは中谷宇吉郎博士の言葉です。雪の結晶に透明感、その繊細な美しさを表現するために、あえて通常の絹糸ではなく金糸をふんだんに使うことにしました。

金糸を数色撚り合わせることで複雑な色を模索し、百色近くの試し色を作成、そのうちの厳選した糸を使用しました。基本的に、織り始める前に決めた撚糸(よりいと)を使い、織りはじめますが、実際に織る途中で思い描く色がどんどん湧いてきます。その都度作り変更することで、より感性に沿った作品を目指しました。

理想と思い描く色にするには、と考えた組みあわせの糸を撚り合わせても、太くなって織り込めなかったり、かえってくすんでしまうということがあります。そういったボツになった糸から、またヒントを得て作った新しい撚糸もあります。 また、数色をぼかし織をすることで、より深みのある画面をつくることに苦心しました。仕上げに、織生地を透明なアクリル板ではさみ、より透明感のある時計に仕上げました。

中尾友美

1973年 大阪生まれ 1995年 大阪芸術大学芸術学部美術科卒業、石川つづれ株式会社にて爪掻本綴織の修練 1997年 西陣織大会本綴織秀作展、京都市長賞 1998年 西陣織大会本綴織秀作展、京都府知事賞 2008年 伝統工芸士(西陣織、製織部門)認定 2011年 京もの認定工芸士(京都府、西陣織)認定 2014年 未来の名匠(京都市、西陣織)認定 2015年 風神雷神図 雷神図を一部製織、日本伝統工芸士作品展、東武百年青年奨励賞 2016年 第45回日本伝統工芸近畿展入選、平成28年度伝統工芸品産業大賞若手部門奨励賞 2019年 日本伝統工芸士作品展、紫波町長賞




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