京焼・清水焼の世界では、陶磁器の型をつくる成形専門の職人、焼き上げた素地に絵や模様を描く絵付け専門の職人がいます(成形と絵付けのどちらも行う方もいらっしゃいます)。
本日ご紹介するのは、この陶製のコンパクトミラーの絵柄を描いている「絵付師」の並川昌夫さんです。
並川昌夫(小手鞠窯) https://www.instagram.com/kodemarigama
風神雷神や花鳥風月といった伝統的な絵付けから、縁起物、愛らしいイラスト風の絵まで、さまざまなテイストの絵を描き分けられる絵付師さんですが、時には、この写真の一番右の金色の麒麟のように、金彩作品も製作されています。
今月9月23日(木)~26日(日)に開催される展示会(京都伝統産業ミュージアム MOCADギャラリー)では、並川さん(小手鞠窯)の代表作でもある、祇園祭の鉾(ほこ)をイメージして成形された磁器製の蓋物を出品します。
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☆作品&職人紹介☆
麒麟のコンパクトミラー
黄金色の凹凸で描かれた麒麟がかっこいい本作は、何度も焼成して制作されています。簡単にその制作を紹介すると、①円形の素地にマットな金色の液体を塗って焼成 ②できあがった金地の上に、マット金液で絵(麒麟)の輪郭線を描き、輪郭の内側を白絵具で盛り上げる ③白以外の金地の部分にマット金液を塗り焼成 ④白地の上にのみ本金を塗って焼成 ⑤本金で塗った部分をメノウで磨き上げて光沢を出す(仕上げ) と、とても手間をかけてつくられています(焼成は複数回行っているところもあるそうです)。
並川昌夫
1974年 京都生まれ 1996年 京都府立陶工高等技術専門校図案科修了、二代目加藤如水氏に師事 2003年 洛描工房小手鞠設立 2008年 京もの認定工芸士(京焼・清水焼)認定、色絵陶芸展 新人賞、グランプリ等 受賞、京焼・清水焼展 京都府知事賞等 受賞
依頼を受けて成形された無地素地に上絵を施すこともあれば、自らデザインしたオリジナルの品に絵付けをしてオンライン販売もされています。
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