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京もの認定工芸士会「響」第二回工芸展出品作品紹介 水内倫子さん

京漆器の蒔絵をされている水内倫子さんの作品。

京漆器は794年(延暦十三年)以降に確立され、栄え始めたのは室町時代と言われています。茶の湯文化と合わせて栄えてきた経緯から他の漆器と比べて木地が薄く繊細な美しさを持っているのが特徴です。

また京漆器の装飾方法である「蒔絵」は奈良時代がルーツといわれていて平蒔絵、高蒔絵、研ぎ出し蒔絵などの様々な技法があります。 京漆器の蒔絵は時代ごとに変化しているのが特徴で安土桃山時代では優美で華麗なデザイン、江戸時代には精密で味わい深いデザインになり、本阿弥光悦や尾形光琳のような斬新なデザインなどは「琳派」という名前で後世に繋がっていくこととなりました。

今回の「花輪蒔絵小箱」は京漆器の蒔絵ならではの優美で繊細な作品に仕上がっています。 こちらの作品はIGTV「展示会2日目の作品紹介」の39:00〜あたりから紹介しておりますので合わせてご覧くださいませ。 響インスタグラム「IGTV」 https://www.instagram.com/kyomonohibiki/channel/

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花輪蒔絵小箱 (京都漆器青年会写し商品企画、京都漆器青年会所有)

この作品は「銘品を写そう!」企画から商品に展開した小箱です。蓋には花輪の蒔絵を施し、蓋を開けると唐子が駆けている様子が現れます。 技法の特徴としては、肉合(ししあい)蒔絵が用いられていることです。肉合蒔絵とは高上げ蒔絵の一種で、山の稜線のようになだらかに盛り上げている方法のことです。自然に近い肉感を表現するために編出された技法です。

水内倫子 京都市生まれ。祖父は漆芸家水内杏平

1998年 京都市立銅駝美術工芸高等学校漆芸科卒業

2002年 京都市伝統産業後継者育成研修漆工本科、専科修了。三代目鈴木表朔氏に師事

2014年 京もの認定工芸士(京漆器)認定




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